grasshopper logo title
Yuko Torii,
Clinical Psychologist
Home
Session Information
Psychology Topics
Links
Belief & Experience ・・・信念と体験

日本語で「信念」というと、一般的には良い意味で使われているようです。人が良い結果や成功のため、よりよい人生を送るために、何か良い方向を固く信じる心や強い意志のように捉えられています。
心理療法で信念(ビリーフ)というとき、それは、根拠なく信じ込んでいること、無意識な思い込みや信じ込み、などの意味で使われます。
ビリーフは、私たちのあらゆる体験を作り出している隠されたベース・システムです。私たちが外側からのインプットを、どのように感じ、考え、処理し、解釈し、それをアウトプット(表現)するかは、ビリーフが決定しコントロールしているのです。
ビリーフは、自分をどう捉えているか、自分にとって人はどのようか、人にとって自分はどのようか、世界は自分に何をもたらすか、自分は世界に何を与えるか、などを定めています。それは、遺伝的影響、家庭などの環境的影響、社会的文化的影響、幼児体験などから作られたものです。

ビリーフには、「自分はいつも失敗する」「人は自分を好きにならない」「誰も助けてくれない」などのように、自分を幸せにしないものもあります。そのようなビリーフでも、過去のある時期においては、その人に必要なものだったと言えます。もうそれ以上辛い思いや怖い体験をしないように、そのビリーフによってその人を守ってきたのです。「いつも失敗する」というビリーフは、挑戦を避けるという形で、その人を失敗することから回避させたかもしれません。「人に好かれない」というビリーフは、人との交流を避けるという形で、人から良く思われなかった時のダメージから、その人を守ったかもしれません。
問題は、そのビリーフが、現在の状況や現在のその人に、本当にまだ必要なのかという点です。

ビリーフは、それ自身を守るために、事実をビリーフとつじつまが合うように歪めてしまう、という風にも働きます。成功していることもあるのに、「大したことじゃない」と過小評価し、たまに失敗すると「やっぱり今までのことは全部失敗だったんだ」と考えたりします。
人が親しげに接近してくると、いずれ離れて行ってしまうのではないかという恐怖から、消極的な態度をとってしまうかもしれません。そして、せっかくのチャンスを逃して人が去ってしまうと、「やっぱり人は自分から去っていくんだ」と思うのです。
もしもその人が、成功する力を今は十分に持っていたり、人から好かれる素質を持っているにもかかわらず、何かを避けたり事実を歪めて解釈しているとしたら、その人は、せっかくの喜びや楽しみの体験まで逃してしまっていると言えます。このようなビリーフに気づき、手放していく作業が、心理療法などで行われることです。

たいていの場合、ビリーフは、ある種の考えに何の根拠もなく「いつも」「すべて」「みんな」という形容詞が付くことによって、事実とは違った方向に体験を構築していきます。「自分は失敗することもある」「ある人には好かれないこともある」なら問題ありませんが、いつも失敗する、誰からも好かれない、というのは、たいていの場合、事実とは食い違っています。

重要な点は、ビリーフが通常の意識や状況の中では、なかなか認識できないものも数多くあるということです。なぜなら、ある種のビリーフは、ある特定の状況下のある特定の意識状態に陥った時、特定の方向に働くからです。
この隠されたビリーフを明らかにしていくには、様々なアプローチがあります。
例えば認知行動療法では、ある状況における気分や感情や身体感覚に注目し、そこで自動的に起こってくる考えや心のつぶやきの検証をくり返すことで、認知の歪みを明らかにし、ビリーフに近づいていきます。
論理療法では、論理面、実用面、経験面からその認知や考えを検証し、イラショナル・ビリーフ(不合理な信念)を見つけ出していくという方法をとります。
ハコミセラピーでは、マインドフルネスという特殊な意識状態を作り、「実験」を行うことによって、この隠されたビリーフを探していきます。

あなたの隠されたビリーフには、どんなものがあるでしょう?
それは、今この瞬間にも、あなたの発する言葉、行動、しぐさ、表情、声、すべてのものに現れています。


 

心理セラピー、心理カウンセリングをご希望の方は、
下記のサイトをご覧ください。
www.yousphere.jp